あなたっ、どちらさん? ベタ・“スプレンデンス・ロップリー産”

2015.06.30(Tue)

確か、昨年の年末頃だったような記憶があるが、スペードテールな尾鰭になるとの事で、一部^^の話題をさらった?ベタ・スプレンデンス・ロップリー産。。
先日の『創作めだか博覧会』でK氏が綺麗に仕上げられたペアを持って来られていたので、この時とばかり、わが家に導入したっ!

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ベタ・“スプレンデンス・ロップリー産”、オス個体。

全長は4センチ弱である。ご覧の通り、丁寧に育てられた事が見て取れる個体である!水槽に移動直後に撮影した為に色はとんでいるが、鰓蓋の後ろ縁は赤く縁取られるのが印象的である。実はこれより前、行きつけのお店で、やや小さいロップリー産のペアを見て、綺麗だが、何か違和感を感じていたのであるが、この時、ようやくその理由が分かった!スプレンデンスの特徴とも言える、頬の赤いラインが一本しかないのである。。

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ベタ・“スプレンデンス・ロップリー産”、メス個体。

メスも二本のラインではなく、もしかしたら、更に状態が落ち着けば、面積が広がるかもだが、鰓蓋の縁にわずかに。1ペアだけのサンプルで、特徴云々を言うのは早計かも知れないが、スプレンデンスの原種は、フォーシィのように頬に二本の赤いライン(状態によってはクリーム色)が、私はキスマークと呼んでいるのが^^入るとされており、『あなたっ、どちらさん?』と言う感じなのでした。


・・・と、言う事で

先ずは生息地の確認である^^

20150702000221554.jpgタイのスプレンデンス系分布状況。

赤線で囲った場所が、件のベタの生息地と思われる、ロップリー県である。初入荷時は、ラップリと表記されていたが、ロップリーがより発音に正しい呼び名であるみたいである。最近、私がハマっている漫画は『TERRA FORMARS』なのだが、それに出てくる鉄砲海老男は、このロップリーで一番高い山の麓が故郷らしい。が、しかし、それはどうでもイイ話なのであった^^

さて、ついでにタイ国内におけるスプレンデンス系の分布状況を国内に入荷するロケ名から同じく表記してみた!あくまでもアクア業界ルートでの話なので、間違ってても怒らないで欲しい^^それでもインドネシア系の魚に比べる精度は高いので、十分参考にはなると思う。

先ずは黄色は、最近、入荷した、これもスペードテールな尾鰭になると言われる、ドンムアン産。バンコクから北に20㌔の場所。私はこれを見た事がないが、昔、国際空港だったような空港が場所であるので、純粋な野生タイプかは不明である。・・・まあ、これはロップリー産についても可能性が無い訳ではないが。。

は、ごく最近、入荷があったプールア産。ピンテール状の尾鰭をしている、とされる。これも私は見た事がないのだが、どうやら写真家のY氏が持ち込まれたタイプと話である。

は、アクア業界に流通した事のある、スプレンデンスの原種の生息地。インベリスに似るが、色彩的には雌雄共に鰓蓋に二本のラインが入るとされる。恐らく、元々はチャオプラヤ川流域の湿地帯に広く分布していたと思われる。が、現在入荷してるのは、流域より結構、外れた場所との印象である。恐らくは放逐された闘魚ベタや観賞用改良ベタとの交雑の可能性からと思われるから、平野部からの入荷は無いのであろうと推測される。因みに、タイのワイルドベタ事情に詳しい水作の山崎浩二氏のウェブ上の記事によると、東部のトラート産の個体群の中に非常に少ないものの、スペードテールな尾鰭の個体が出現するようである。

水色は、スペードテールな尾鰭を持つ、ベタ・マハチャイエンシス。チャオプラヤ川の汽水域、マングローブが茂る場所に分布するとされる。

オレンジは、最近、記載された小型種のシャムオリエンタリス。

は、スマラグディナである。スプレンデンスがチャオプラヤ系だとすると、こちらはメコン系と言えそうですなぁ。前出の山崎浩二氏の記事によると、チャイヤブーンの個体群は、体色はやや地味なものの、スペードテールになるスマラグディナとの事。ん?虹さんに入荷している?なんとタイムリーなっ!買わなきゃ^^で、地域的には、メコン系だが、チャオプラヤ川にほど近い場所が源流であり、地質時代には、チャオプラヤ川と連絡していた可能性があるのではないかと考えられる。だが、しかし、これは私のファンタジーなのであった^^
最近、記載されたスティクタスはカンボジア北部のラオスとの国境に近い地域に産する。雰囲気は、特に飼育型^^はスマラグディナに似ているように見える。これもメコン系のスプレンデンス系である。

この他、マレー半島~北部スマトラからはインベリス、タイランド湾(私が学生時代はシャム湾と呼んでたが。。)を挟んで、マレー半島対岸のカンボジア・シアヌークビルからは、インベリスに似た未記載種が産する。
地質時代の海退期には、インドシナ半島・マレー半島・スンダ列島が一体となった巨大な陸地だったのだが、その時の推測される河川図を見てみると、現在の東南アジアの魚類の分布の歴史が見えてきたりして、面白いよねぇ^^

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鏡を見るの図。

・・・イイところを写したかったので、普段のベタ撮影では使わないのだが、鏡を置いてみた!フラッシュ撮影の場合、見た目以上に赤が強調されるみたいで、特に尻鰭の上の方のボディなどが。

ウチの個体はスペードテールではないが、子供を採りまして、出現率を見極めてみたいと思う。㊤の地図からみますと、チャオプラヤ水系のベタにスペードテールが出現し易いように感じるが、これってメスによる性選択の結果なのだろうか。ベタ属においては、スペードテール~ピンテールの尾鰭って、特に珍しい形質ではないのですけど、どうなんでしょうなぁ。ちょっと、実験してみたい気がする^^


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メスを入れてお見合いの図。

やはり男子は女子がいると気合いの入り方が違ってくる^^ボディはさらに黒化し、ラメとのコントラストが美しい。体型、腹鰭の感じは異なるが、“インベリス・ベトナム”、シャムオリエンタリスにも似た感じに。頬にも二本目のライン、とまではいかないが^^クリーム色の部分が現われた!・・・先にも少し触れたが、やはり野良ベタとの交配の可能性はある。。これを証明するには、遺伝子を解析するのが一番確実なのだが、交配種で無い改良ベタとの違いって証明されうるのだろうか?まあ、今後の研究に期待するものでありますなぁ。とりあえず、わが家では累代して形質の変化を見れたらっ!と思う。この記事を書くにあたって情報を下ったD氏の話によると、2センチ程度でも性的に成熟しているようで、繁殖は可能との事である。


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既に古文書?TFHのアトラスを見てみると、気になる写真を見付けてた!解説がないので、詳細は不明だが、ややスペードテールな尾鰭といい、鰓蓋の模様といい、何となくロップリー産に似ていない事も無い。。私のアトラスは第二版の1986年に編纂されたモノだが、少なくとも80年代前半にはこう言ったタイプが知られていた可能性があるのであった。改良ベタでは頬のキスマークが表現されないモノも多いが、その遺伝とかが、色々なモノを示唆してくれそうで、私は実際に改良ベタまでとても追いきれそうにもないが、面白そうな気がしますなぁ^^




COMMENT

craft #8Z5KALLQ

タイとか

タイとか普通にアジア圏だとヨーロッパやブラジルよりも簡単に旅行いけませんかね。
で、採集旅行とかできたら最高ですよね。
(^-^)
やはり関税とか難しいでしょうかねえ。
(^-^;)

2015.07.02(Thu) 00:05 | URL | EDIT

335 #-

すごくためになりました。。
こうやって見るとスプレンデンスとスマラグディナの分布域って広いですね。
グリーンダンサーもタイの東北部でしたよね。

野良ベタとの交雑も気になりますが、タイの文化に根付いた現象ですので、やむを得ないのかなという気がしています。

あと、マハチャイエンシスの記載論文を読んだ時に思ったのですが、スマラグが大きく2つの遺伝的グループに分かれていると感じました。最近のインベリスグループの分類の流れから行くと、いつ学者さんが別種に分けてもおかしくないように思います。

2015.07.02(Thu) 17:39 | URL | EDIT

ティー・ユー #-

Re: タイトルなし

どうもです^^

正直、スプレンデンス系って苦手でそれほど興味がなかったんですけど、
スペードテールのスプレンデンスの登場で何か面白いカモ!と直感で感じたのです^^
これからまだまだま面白い発見がありそうですなぁ。

私は記載論文まで読んでませんが、山崎浩二氏の記事の様子から
遺伝分析して慎重に記載したみたいですね。やはり都市部に近いこともあるのでそうしたんでしょうね。
スマラグディナについても別種記載の動きがあるみたいですね。
この仲間の今後の動向が気になります!



2015.07.04(Sat) 08:19 | URL | EDIT

ティー・ユー #-

Re: タイとか

どうもです^^

実際に行ってる友人がいますので、
ボルネオとかに比べるとハードルは低いのではないかと思います。

実際問題として、仕事を休んでいけるかな?ってところですかねぇ?
でも、体力が残っている内に行きたい!です^^

2015.07.04(Sat) 08:23 | URL | EDIT

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プロフィール

ティー・ユー

Author:ティー・ユー
物心がついた頃より、水生生物を飼育。数年の中断を経て、飼育を再開した親父です^^
現在はワイルドベタ、胎生メダカを飼育中。

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