FC2ブログ

ベリトゥン島のフォーシィ・タイプ^^

2016.05.04(Wed)

先ずは、

この地図を見て頂きたい。

20160504055138129.jpeg

これはネット上で拾った^^ボルネオ島を中心とした東南アジアの地図なのだが、よく見かける地図の情報の他に、水深1000m以内が灰色で塗り分けられている。更にその内側に点線で水深200m、水深100mが表示してある。更に灰色に塗り分けられた中に、水色のラインが入っている。これは海底に残された河床痕である。これは戦前にオランダが調査したモノを下敷きに作成されたもので、最後の大きな氷河期、ウルム氷期では100m以上海水面は低かったと推測されており、インドシナ~マレー半島~スマトラ島~ボルネオ島に至るまでが、広大な陸地だったようである。これはスンダ大陸呼ばれている。河床痕はその時期に刻まれたモノと推定されるわけである。

で、赤丸で囲んだのが、今回のお題のフォーシィ・タイプが分布している、ベリトゥン島 Pulau Belitung である。

ベリトゥン島 のアナバス類については、アクアライフ誌2011年10月号にて、大阪のベタショップ・フォーチュンの石津氏が紹介され、この時の記事はフォーチュンさんのHPで見る事が出来る。その中でスマトラ島と西カリマンタンのアナバス類をミックスしたかのような魚類相がレポートされた。それは他の地域では例がなく、非常に興味深い報告であった。その中でも小型とされるフォーシィタイプも紹介されたのだが、その後、同島からの情報は途絶えていたので、仲間内ではたまに話題に上るものの、ベリトゥン島は、半ばワイルドベタ界のミスティーアイランド^^と私などは位置付けていたのでした。。

20160503085655e97.jpeg
ベタ・sp.“ベリトゥン島産” Betta sp“from Pulau Belitung” Wild  オス個体。

・・・そんなおり、インドネシアの現地事情に詳しい方より、ベリトゥン島のフォーシィ・タイプについて、詳細な情報を頂く事が出来、更に都内の共通の顔見知りの専門店の仲介・ご協力の上に、謎に満ちたベリトゥン島のフォーシィ・タイプをわが家に迎える事が出来たのであるっ^^



20160507125619b7f.jpeg
201605071256217a0.jpeg
生息地、その周辺。

この現地生息地の画像は、先にご紹介した方から提供して頂きました!ありがとうございます^^

丘陵地の湧水が出てるような場所で、水色はクリア・ウォーターであるとの事。この画像の小川ではなくて、この両脇の丘から染み出したごく浅い水溜りにいるらしいのである。無論、この小川が生息地を橋渡す回廊の役目を果たしている事は想像できるが、実際には採集されず、あくまでもこのような水溜りなのであるらしい。チームボルネオさんのフォーシィに関する情報と合わせて見てみると、フォーシィ系がいかに特殊な場所を好むかがうかがえます。
ベリトゥン島の場合、このような場所は非常に限定されているようで、ここが唯一の生息地のようである。

20160507125622628.jpeg
採集された、ベタ・sp.“ベリトゥン島産”

オスと思われる個体。尾鰭が欠損しているが、現地で見るフォーシィ系ではよく見掛ける状況のようです。


20160507133500c2f.jpeg
20160507133458e45.jpeg
20160507133244725.jpeg
20160503085651934.jpeg
20160503085237628.jpeg
ベタ・sp.“ベリトゥン島産” Betta sp“from Pulau Belitung” Wild  オス個体。

現状で全長は6センチあまり。先のフォーチュンさんの記事では、具体的な大きさは明らかにされていないものの、非常に小型で、コッキーナ系と見間違えるほどであった、とあるが、実際はそこまで小型であると言う印象は無い。現状以上は大きくならない可能性はあるが、あの記事が現地採集した魚だけを見て書いたのであれば、それは勇み足であると言う印象は拭えないだろう。
と言うのも、小型であるとされていたタイプでも、その後、大型の個体が報告されたり、飼育下で大型化した例がいくつも知られているからである。例えば、マクロストマを幼魚から育てた場合、6センチ程度で産卵したりするが、現地において、例え6センチ以上の個体が採集出来なかった場合でも、それ以上には大きくならないと言う証拠は何もないのである。私が思うに標準的な成熟サイズの小型化と言うのは、恐らく環境要因が大きく関与しているように見え、生物が持つ柔軟性の表れあると思う。

たまにやたら、この最大サイズにこだわる人がいて、不思議に思うのだが、それが5センチだろうが8センチだろうが、フォーシィ系はフォーシィ系である。それが理由で飼いやすいとか、飼いにくいと言うのは、一切無いと言い切る事が出来る。

で、見た目での印象だが、手持ちのフォーシィ系では、ストローイに酷似しているかな?と言う印象である。私の維持っているストローイの系統は、2014年にチームボルネオさんが、西カリマンタンのマニスマタ付近で採集した系統である。ストローイと言えば、中央カリマンタンのスカマラ周辺が記載地に近いのだが、水系的には同じジェライ水系と言う事もあり、実際、オスの尾鰭の形状や婚姻色の色調(・・・フォーシィ系の見分け方については、資料が集まってから改めて^^)は、典型的なストローイである。今回のベリトゥン島のフォーシィタイプはマンドールより、よりストローイに似ている印象である。

分類的な詳しい位置付けは、不明であるものの、先のフォーチュンさんの記事によると、近年、東南アジアの淡水魚を精力的に記載しているタン教授にも、ベリトゥン島のフォーシィタイプの情報は伝わっているようなので、新種として記載される可能性があるかも知れない。遺伝子の分析も含めた他のフォーシィ系との関係が明らかになる事を期待したい。

先に挙げた地図を見て頂きたい。この地図に記させた河床痕を見ると、ベリトゥン島が今のスンダ海に東スマトラと西カリマンタンの河川を集めて東シナ海に注ぐ水系(北スンダ河)と西カリマンタンの南側から南カリマンタン、中央カリマンタンの河川を集める河川の分水嶺となっている。もしかしたら、この事がベリトゥン島のアナバス類のミステリアスな分布の理由なのかも知れない。が、しかし、これは、私のファンタジーなのである^^

20160503085231a03.jpeg
20160503085233e7c.jpeg
ベタ・ストローイ“マニスマタ産” Betta strohi “from Manismata” Wild  オス個体。

半年以上前の残念な画像ですケド。。参考までに^^
尾鰭の形状、頭部、ボディ、胸鰭以外の鰭の色調に注目。

20160507133430bdf.jpeg
ベタ・sp.“ベリトゥン島産” Betta sp“from Pulau Belitung” Wild  メス個体。

特に他のフォーシィ系と違いは見いだせないが、ボティ・鰭に赤みが全くないのが現状での特徴と言えるかも。



201605071257266fe.jpeg
産卵行動のメスの体色。

20160507125727708.jpeg
20160507125724e18.jpeg
卵を咥えたオス個体。

・・・気が付いた時は産卵行動は終盤。抱擁は確認できなかったが、他のフォーシィタイプと同様、日没の時間が選ばれた。違いと言えば、やや産卵数が少ないか。これは先の採集された方も指摘されていた。残念ながら、今回は翌日には卵を食べてしまったが、慣れていない環境ではよくある事である。次回に期待したいところであるっ^^















COMMENT

craft #8Z5KALLQ

地図

地図見ながら生息地に思いを馳せるのって楽しいですよね。
(^-^)
ロリカリアなら南米おさえとけば足りますがベタってどこからどこまでが生息地なんでしょうかね。
あと、レインボーフィッシュの生息地にも興味があります。
(^-^)

2016.05.04(Wed) 10:48 | URL | EDIT

ティー・ユー #-

Re: 地図

種類の分化と言うのは、地理的隔離が重要なポイントですので、
ベタのような、少なからずグレーゾーンを含む魚と言いますのはやはり^^

ベタの仲間を改めて見てますと、ほぼスンダ大陸の全域と言う事が分ります。

レインボーはウォーレスラインの向こう側で分化した仲間ですが、色んなのがいるようですね。私も興味があります^^

2016.05.07(Sat) 15:00 | URL | EDIT

POST COMMENT


プロフィール

ティー・ユー

Author:ティー・ユー
物心がついた頃より、水生生物を飼育。数年の中断を経て、飼育を再開した親父です^^
現在はワイルドベタ、胎生メダカを飼育中。

最新トラックバック

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
↑