もしかして、もしかしたら、もしかするわっ^^

2016.12.25(Sun)

それは多分、今年の夏ごろだったと思う。

最近では、すっかり情報収集のツールとして大いに活用しているFBのグループで、シンガポールのショップが投稿したマクロストマの画像が目にとまった。それは採子が撮影したと思われる画像で、わが国で⁽“マルディ”と呼ばれているタイプに似ていたのだが、どうも何かが違う。私は時々、この何か違うなセンサーが働くのである^^

・・・そもそも、夏場の飼育条件のうるさいマクロストマは、それほど興味のあるベタでは無かった。それにやってる人も多いし^^ただ昨年末に登場した“ドワーフレッド”なるタイプの登場以来、俄然、興味が湧いてきまして、密かに情報を集めていた。
多分、多くの愛好家が魚情報の検索に先ず利用するであろう、Seriously Fishのサイトをはじめ、生息地によって体色や模様の違いが存在する事が示唆されているが、実際にどうなの?具体的にどこが違うの?また現在、わが国にロケ付として入って来ているマクロストマのそれぞれの特徴って?となった時、イマイチよく分らないのが現実であった。


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ベタ・マクロストマ“サイドウェイ・スポット(仮)” オス個体。

で、先のそのマクロストマが何が違っていたかと言うと、オスの背鰭の模様なのである。ここ最近、わが国に入って来ている“マルディ”や“ブルネイ”などのインボリスネームで入ってくるモノは、ほぼ崩れのないアイスポットが入るが、その投稿された画像・数点はスポットが二つ重なった感じであったり、勾玉状?に崩れた形状の個体ばかりだったのである。これはもしかしたら、その個体群の特徴なのでは?と直感的に感じたのである。
早速、そのシンガポールのショップに「日本に送れますか?」とメッセージを入れたが、残念ながらムリであった。それからしばらくして、今度は別のワイルドベタを専門とするリセルラーが、お客の魚として、例のタイプのマクロストマを投稿していたのを見て、もしかしたらと思いまして「日本に送れるか?」と聞いたら『Yes』であったので、数回のやりとりの後、送られて来たのが、㊤の画像の魚である。背鰭の崩れスポット、正に先の採子の画像に酷似した個体で、ビンゴであった!


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ベタ・マクロストマ“サイドウェイ・スポット(仮)” オス、上下・別個体。

・・・まあ、一個体だけでは分らない。更に2個体を輸入。もっと個体数があった方がイイのは分っているが、大量のマクロストマを好奇心を満たすだけで購入するのは考えものであるので、チビチビと。。しかし、送られてきた2個体は、こちらの期待通りの共に崩れスポットタイプであった!これがどこで採集されたか?分らないのだが、やはり一つの個体群の存在を示唆している可能性はあると思う。ここでは便宜上、“サイドウェイ・スポット(仮)”と勝手に呼ばせて頂く^^
 そんな折、FBのグループで、マレーシアとブルネイ両方の生息地に入った方の投稿があったのである。それによると両方は非常に似た体色で、まあ、体色は気分やその時の環境で変わるものであるので判断し難いが、背鰭の模様の差は確認でき、累代性もあるとの事で、個体群を識別する一定の基準になりうることが分かったのである。


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ベタ・マクロストマ“ブルネイ”の名前で流通していた個体。

マクロストマは魚類分類の大家、リーガンがベタ属を1909年に提唱した時以来の初期のメンバーの一つである。近年のミトコンドリア遺伝子を分析した結果得られた系統分析によると、現生ベタ属でも最も初期に分岐した系統に属するらしい。この特殊化しているベタが。。とチョット驚きなのだが、更にマウスブルーディング行動がベタ属の中で数回発生した事もまた以外であった。。

現在、ブルネイからは、マクロストマの輸出を禁止しているようで、このロケが仮に絶対的に正しい^^とすれば、マレーシアを経由して輸入されたモノであろう。
時にマクロストマを“ブルネイ・ビューティー”と呼んだりするらしいが、これは本種が当初、ブルネイが特産と思われていた為と推測される。たまにブルネイ・ビューティーと言うタイプが存在するかのような表示を見掛けるが、これはマクロストマの特定のタイプや産地の名称ではなく、マクロストマ種の全体を指す愛称とするのが、先に述べた理由から正しいと思う。
マクロストマがアクアリウム界に登場したのは、1982年にアメリカのあのアクセルロッド博士夫妻が、ブルネイに魚類調査をされた時に持ち帰ったのが最初と思われる。当時の画像から背鰭にスポットのあるタイプと無いタイプがあったようだ。日本には、この旅行の帰りに、日本に立寄ったアクセルロッド博士から、東熱帯魚の東博司先生にペアと数匹の未成魚が譲られたのが初上陸のようである。
私は1997~1998頃に欧州便で“チョコレート・ブルネイ”というインボリスネームのマクロストマを飼育した事がある。その時に同時に入荷した“レッドチーク・ブルーチン”というのも飼育していたが、これは今でいう“マルディ”に近いか、そのもののタイプのような気がする。これらは散々カメラでフィルムに収めたが、残念ながら紛失したっ(^▽^;)改めて記録を残す事の大切さを思いしってる今日この頃である。。。

最近、たまに欧州からブリード物のマクロストマと言うのが入荷するが、いわゆるマルディとは鰓蓋のメラニンパターンや体色が異なるように見える。これが近年、“スタンダードな”ブルネイタイプと認識されている可能性がある。

・・・因みに私の以前のベタ熱の絶頂期であった、10数年前、以上の事を踏まえて、某ベタショップの店長に「・・マクロストマの別タイプって知ってますか?」って聞いたら、『ブルネイ・ビューティー!』と即答、私を唖然とさせた事がある。。

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ベタ・マクロストマ“マルディ”の名前で流通していた個体。

今、最も流通量が多いタイプと推測される。頬を中心に非常に赤くなるタイプで、マレーシアでのマクロストマの生息地は、北サラワク・マルディ周辺の狭い地域に分布しているとされる。
このマレーシア側に生息するマクロストマがアクアリウム界に広く認知されるようになったのは、ピーシーズのアナバス図鑑の著者である、真島誠・山崎浩二、両氏がAL誌上において、紹介して以降だと思われる。
その後、それよりも南側に生息すると言う“サウス・レッド”と言う、背中の上まで明るい赤の発色があるタイプも見られたが、現在、流通しているかは不明である。また、サラワク・ローズレッドと言うインボリスネームもあったが、マルディと呼ばれているタイプとの違いは、私には全く見いだせない。
昨年末、AL誌で紹介させた“ドワーフレッド”については、これは大阪の某ベタショップさんのみが扱ったタイプで、ブラックウォターに棲み、小型であるとアナウンスされた。最近はサイズに関して、ドワーフではない、普通のと同じ!との報告が続々と上がってきている。繁殖サイズに関しては、幼魚から育てた場合、6センチぐらいから繁殖したりするので、最大全長の基準にはなりえない。私も当初、随分と情報を集めようとしたものだが、それは『皆無』であった(-_-;) 実際、マルディ、そしてその後、久々に登場とされた“サラワクローズレッド”と全く区別できない。結局のところ、その正体は、知っている人のみが真相を知っていると言う類のもので、完全オリジナルと言う事である^^

実は、マクロストマに関しては、まだまだ情報があったりする。が、まだまとめきれれる状態にない^^特に興味深いのは従来のバラㇺ水系の他に、どうやら、カプアス水系の上流部にも生息地があるようなのである。
繁殖行動についても、オスのみならず、メスが卵を咥えてたとか、ペアで咥えたなど、非常に興味深い行動が観察されている。それらはいずれまた記事にする予定である。

いつ?それは不明で未定なのであった^^



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Author:ティー・ユー
物心がついた頃より、水生生物を飼育。数年の中断を経て、飼育を再開した親父です^^
現在はワイルドベタ、胎生メダカを飼育中。

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