Antuta(Antutan)村より20キロ。

2017.01.09(Mon)

どうやら、最近、

ワイルドベタが来てる?来てますか?
昨年末ぐらいから、急に様々なタイプ入荷があるみたいで、しかも売れているようなのである^^
そんな数あるワイルドベタの中でも、ベタ・sp“アントゥタ”は、非常に特徴的で魅了的な種類だと私は思うのである!

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ベタ・sp“アントゥタ” Wild  Betta sp. “Antuta” Wild

・・・このペアは、秋頃にシッパーの採集情報を得て、例のマクロストマなどを入手したリセルラーに依頼して輸入した個体である。全長は7センチ弱。以前、入手・飼育していたモノは白っぽい青色であったが、今回のは金色っぽくて、若干、ラメの色合いが違う感じであった。前に入手したペアより、小さなペアであり、この先、色合いに変化があるかもしれない。ただネット上の情報によると、生息地が異なるゴールデンと呼ばれているタイプがあるようで、これはもしかしたら、ゴールデンか、ブルーになるものとは別のタイプなのかも知れない。


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ベタ・sp“アントゥタ” Wild、オス個体、上下・それぞれ別個体。   Betta sp. “Antuta” Wild

・・・その後の便で、オスが2匹やって来まして、今度はフルサイズでアントゥタらしい、フルマスクにブルーが発色している個体であった。美しい個体であるが、先のペアとの比較が難しい。。同じタイプか、否か、先に来たペアが育つのを待ってから判断する必要がありそうである。

さて、ベタ・sp“アントゥタ”について、簡単に説明したいと思う。

このベタが発見/紹介されたのは、2010年頃のようである。生息地はインドネシア・北カリマンタン(当時は東カリマンタン)、カヤン川・下流域の街、タンジュン・セロルに近い(タンジュン・セロルからアントゥタ村までは約15キロの位置)アントゥタ村近郊で、当初、“アントゥタ村から20キロ”と仮称されていたらしい。

カヤン川と聞いてピンとくる人は、かなりユニマ系に詳しい人で、カヤン川上流域のカジャンとマハカム水系のハウオン川から得られた標本を元にユニマクラータ種は定義されている。と言う事で、見た目の印象は大きく異なるが、アントゥタも今のところ、ユニマクラータ種の数多い地域タイプのひとつという事になるだろう。

特徴としては、オスの頭部はフルに発色すると、ラメがフルマスクしそれが全身にも及ぶ。鼻管付近が赤いのも特徴。ベースとなる体色は赤っぽい。メラニンパターンは、ユニマクラータ、オケラータとほぼ同じである。頭部は、オケラータのドンコ頭^^に比べると幅が小さい感じである。それはオケラータの頭部をドワーフスネークヘッドに例えるならば、アントゥタは、カムルチーのそれに例えられるかも知れない。

先にも触れたが、このアントゥタにも生息地の異なる色彩タイプが存在するようである。区別する場合、従来の青いのをブルー、新しく見付かった(2014年頃?)金色の発色のものを、ゴールドと呼ぶ場合がある。多分、北カリマンタンのカヤン川の南側の山間部には、他にも生息地がある可能性がある。更に南に山を越えたベラウにもアントゥタがいるとの情報があり、発信者はそれをグリーンと表現しているが、詳細は不明である。このベラウ周辺の地域には鼻管が赤く、妙に赤っぽいユニマクラータのバラエティが複数見られるようなので、私の想像力を大きく刺激するところではある^^

生息地は他ユニマ系同様、河川の最上流部が中心のようである。水質データは、一例としてクリアーウォーターで、水温22~24度、ph5~6。場合によってはもっとアルカリの場合があるようだ。恐らく、古くは出射氏がユニマクラータで指摘されていたように、水質的な嗜好というより、最上流部という場所に嗜好性があるのだろう。

飼育に関して、特に他のユニマ系と大差はなく、繁殖も容易である。ただ腹水、マツカサ病などエロモナス症と思われる病気にやや弱い印象がある。これと関係があるのかもだが、累代繁殖は若干難しいようで、F2以降を維持しているという話は聞かない。私はF1世代を得たが、残念ながらF2世代は得られなかった。

さて、国内に初めて導入したのは2014年に大阪の某ベタショップで、それがAL誌の新着魚のコーナーで紹介された。
私はこの魚の存在を知ったのは、同じ年の夏にチームボルネオさんの知人が作ったという“ユニマクラータばかりのポスター”^^を紹介したブログ記事で、初めてこの魚を見た時、その美しさに私は非常に驚いたモノである。


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ユニマクラータ・“ターコイズドラゴン” オス個体。

こちらのベタは以前紹介したユニマ系のベタであるが、改めて紹介したい。

この個体は2014年頃、雑誌でアントゥタ紹介された頃、一般ルートで入荷した“sp.Antuta ターコイズドラゴン”と入荷したタイプのF1である。ボディが長く、全体的な雰囲気も独特なモノがあり魅力的なのだが、アントゥタとは全く別のタイプである。
最近はそう言った表記は見掛けないのだが、当時、日本に入荷するユニマ系には○○ドラゴンと言うニックネーム?が付いてリストUPされていることがよくあった。例えば、オケラータなら“ゴールデンドラゴン”、パトティなら“タイガー”などである。その論法^^で恐らくこの“spAntuta ターコイズドラゴン”も名付けられたものと思われる。また、5年ぐらい前に同じタイプが、日本だけでなく、オーストラリアにもアントゥタとして入荷されていたらしい。しかし、種類そのものがアントゥタと異なっているし、また採集地も不明であったので、この名前をそのまま使い続けるのは問題があると考えた。ですので私のブログ上では、ユニマクラータ“ターコイズドラゴン”と表記した。(その後、北カリマンタンのセサヤップ川最下流のタラカン島に、このタイプに酷似するモノが生息するらしい事が判明した。)



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ベタ・sp“アントゥタ” Wild、2014年晩秋に入手したペア。

最近、フルマスクするタイプに対して“ターコイズドラゴン”と名付けたと、発表している人物がいる。

彼の説では、以前より海外では、アントゥタは別名ターコイズドラゴンと呼ばれており、以前紹介したタイプが云々(中略)・・・アントゥタにはメタリックのある個体は生息していないが、別の地域には云々。。。
しかしながら、私はアントゥタをターコイズドラゴンと呼んでいる、または呼んでいた事を知っている海外の人物を知らない。尋ねても情報が全く得られないのである。『海外でターコイズドラゴン呼ばれている』などと言っていたのは、私の知る限り、バリバリの日本人^^の知人の某氏だけである。
仮に呼ばれていたとして、フルマスクするこの種類は、広くアントゥタと認識されており、また、かつてアントゥタではない魚が間違って“spAntuta ターコイズドラゴン”として流通してしまった事を考えると、そのタンジュン・セロル周辺で?調査して?見付かったと言うフルマスクするタイプ???改めてターコイズドラゴンと名付けるのは、大いに問題があるように思われる。
私はその種の成立に地域の歴史が大いに関係があると言う意味で、ロケに興味がある。
特にこのような特徴的な種類には、人為的に改良されたモノとは違った、偶然のうちに得られた造形に改めて気付かされ、驚かされる。恐らくネイティブの魚に興味を持つ人は、意識的であれ、無意識であれ、恐らくその事に魅了されているのだろう。

故・千石正一先生の言葉を借りれば、新しく見聞きするモノに対してをどう呼ぼうが、それは人の勝手だが、その名前は名付けた者の対象に対する考えが反映されるので、非常に重要なのである。

従って“アントゥタ村から20キロ”呼んだ人に大いに好感を持つ訳である。

しかしである、spギターの産地偽装、カリマンタンベリカ、ドワーフレッド、そして今回の“ターコイズドラゴン”etc。。
浪速の空から吹いてくるベタ風は、毎度、軽薄で胡散臭いのは、まあ、一体、どういう訳なのか。んんっ?










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2017.01.10(Tue) 12:55 | | EDIT

シロお #3un.pJ2M

確かに!

あの方は横取りが上手いですからね...
ショーベタもインボイスを付けたがる方ですからね...
WILDも〇〇〇ドラゴンとか付けるのは安っぽく感じてしまうのは、自分だけではないと思います。
呆れちゃいますよ...

2017.01.10(Tue) 21:47 | URL | EDIT

ティー・ユー #-

Re: 確かに!

やはり、

商売目線と趣味目線の隔たり、その無自覚が根底にあるような気がしますね!

2017.01.15(Sun) 01:28 | URL | EDIT

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プロフィール

ティー・ユー

Author:ティー・ユー
物心がついた頃より、水生生物を飼育。数年の中断を経て、飼育を再開した親父です^^
現在はワイルドベタ、胎生メダカを飼育中。

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